上毛新聞掲載記事

Sabine's Dog Vacation の責任者兼トレーナーであるサビーネが
2020年に地元、上毛新聞に依頼を受け、視点オピニオンというコーナーにて

すべての飼い主さんに向けて、真っすぐな気持ちで執筆したコラムです。

日独のペット事情を

日本のペットは法律でほとんど守られていないため、
言葉をしゃべらない犬の幸福度は飼い主で大きく左右されてしまう。

動物先進国といわれるドイツと日本のペット事情を比較しながら、
犬についての知識を伝え、正しい飼い方を広めたい。

犬を迎える前に…人間が犬育てに困る前に…トレーニングを受ける前に…
是非、真っすぐな気持ちで受け取ってください!


タイトル一覧

犬と暮らす 外飼いを続けますか?

正しい犬の室内飼い(1)幸せをもたらす散歩と庭

正しい犬の室内飼い(2)愛情と時間注ぐ「親」に

犬本来の姿 多頭飼いが心を満たす

質の高い散歩(1)犬を中心にして歩こう

質の高い散歩(2)良い道具で楽しさ倍増

あなたにも役割 殺処分ゼロを目指す

 

当サイトの全てのコンテンツはサビーネズドッグバケーション(正起工業株式会社)の著作物です。
無断転載・転用・使用は固くお断りいたします。

 

2019年12月2日掲載

犬と暮らす 外飼いを続けますか?

来日当初はささいことに驚く日々が多かった。公衆トイレ音姫無償のビニール袋

そしての飼い方の違い
庭に犬小屋があり、鎖につながれている犬。またはつながれてこそはいないが、庭で飼われている犬。

初めて見た時はただ驚いたが、その後これが珍しくない光景だと分かった時は心が痛んだ

どこに驚くのかと思う人もいるだろう。
ドイツでは外飼いの犬は非常に少なく、つながれている犬なんてほとん見つからない。

犬は人間と一緒に家の中で暮らすのが常識だからだ。

家族だから」。
それも理由の一つには違いないが、日本でも犬を家族として見てる人は多いはず

外飼いだが、家族と考えていると言う飼い主数名外飼いの理由を聞くことができた。

汚いから。家を汚すから。毛が落ちるから。番犬だから
昔から犬は外と決まってるから。

どれも人間都合の勝手な理由だった。
逆に犬の性質や幸せには一つも触れていなかった。

最後「犬は昔から外と決まっている」もはや理由になってない。

面白いことにドイツでは逆に犬は基本室内で飼うべきという法律がある。
やむなく外で飼う場合は明確な細かい規定いくつもり、日本で見るような1mあるかないかの短い鎖につな事は当然法律違反だ

法律の基本となっているのは
「飼い主は犬の精神および肉体的な要求をたさなければいけない」という部分
そう、犬の最低限の幸せを守るための、犬の性質をもとに作られた常識的かつ論理的な法律なのだ

例えば麻薬犬としても活躍するほどの嗅覚の持ち主の犬を鎖につなぎ、用を足した同じ場所で寝ることや飲み食いを強いることは道徳的か?

犬はきれい好きだから散歩に連れ出してもらえるまで実は何時間も、体の限界までトイレを我慢していること多い。それも毎日。

明らかに精神的及び身体的に苦痛ではないか?

毛皮を着ている犬30℃超える暑さに何か月もさらすのは? 冬の寒さはどうか?虫刺されによるかゆみは?

ドイツの犬は法律でこういった苦痛から守られている。
そしてドイツで室内飼いが必須とされる一番の理由は実はいろんな動物の中で非常に社会的な生き物であり、「群れで生きる動物」であるからだ

庭で孤立し、愛する人間との接触を奪う飼い方虐待になるのだ
犬は人の側で生活することを喜びに感じ、隔離されることで苦しむのだ。

犬の性質を分かった上で、日本では法律違反ではないからと言って今後も外で飼っていいものか、犬の立場になって一度考えてしい。

法律で守られていないからこそ飼い主にかかるのだ

家族として迎え入れた尊い命、ぜひ一つ屋根の下で幸せにしてあげてほしい。 

タイトル一覧へ

2020年2月4日掲載

正しい犬の室内飼い(1) 幸せをもたらす散歩と庭

前回、犬の幸せには室内飼いが必要と書いたが、今回と次回はその室内飼いについて詳しく書きたい。

幸せな室内飼いのためには、犬が外の世界に触れることが絶対に必要になる。
それは「散歩」と「庭」である。

散歩では、犬は適度に身体を動かし、用を足し、匂いを嗅ぎ、時には他の犬や人間とも出会う。一日一回は必ず、可能なら2、3回は散歩に連れ出してあげたい。

散歩の良さや回数はそれぞれの犬に合わせる必要がある。
犬も人間と同じで個体差(犬種、性別、年齢、健康状態等)や個性(臆病や犬好き等)、そして生まれ育ってきた環境(ペットショップに長くいた、元保護権等)が違う。

一言で散歩というが、実は質の高い散歩と低い散歩がある。

犬の幸せに大きくかかわってくるので、また後の機会に詳しく書こう。
取り急ぎ今伝えておきたいのは、散歩を犬のトイレタイムとして考えないでほしいということ。もちろん用も足すが、

散歩の最大の目的は犬が充実した時間を過ごすことである。

例えば犬は匂いを嗅ぐことで我々が新聞を読むのと同様に新しい情報を得る。
こういった脳への刺激は精神的な安定につながる。
だから匂いを嗅いでいる時は先を急がず立ち止まってのんびりと見守ってあげよう。

散歩で脳への良い刺激が得られない犬は家でも問題行動を起こしやすい。

モノを破壊したり、粗相をしたり、そして目には見えなくても実は病気の原因にもなる。

庭は、理想的には広く、されにアメリカの映画でよく見るような犬が自由に出入りできるフラップドアがあると最高だ。
気持ちよさそうに寝ていたと思いきや、ふと庭に出る。
仲良しの犬が散歩で通ったからフェンス越しに挨拶をしたり、春風を受けながらその風が運んでくる匂いを楽しんだり。
このような自由は犬の幸せ度をグッと上げる。
何よりトイレを我慢する必要がないのは精神的にも身体的にもベストなのだ。
フラップドアが無いなら飼い主が1日に何回かドアを開け、庭に出してあげたらよい。
ドアを開けても「今は出たくない。中で寝とくよ」という返事が帰ってくることもあるが、庭に出した回数が重要なのではなく
「出たい時は出してもらえる」という安心感が犬の幸せの鍵を握る。

では庭が無いと犬は不幸かというと、そうとは限らない。
ベランダでも気分転換ぐらいはできる。
充実した散歩をさせたうえで、さらに外に連れ出し、トイレタイムを設けてあげることで、飼い主は庭が無いことを補える。

仕事などでトイレタイムがどうしても確保できないなら、ペットシッターを雇ったり、長時間我慢しなくていいようにペットシートでトイレを作ったりと工夫しよう。


タイトル一覧へ

2020/04/06掲載

正しい犬の室内飼い(2)愛情と時間注ぐ「親」に

犬を庭で鎖につなぐことが禁じられているドイツでは正当な理由なしに室内でも動きを制限するのは論外だ。

閉じ込められると苦痛であり、心身に悪影響を及ぼすからだ。

まだ目も開いていない子犬や徘徊(はいかい)する老犬を飼い主が風呂に入る間だけ大きいサークルに入れることはあるし、車での移動時にゲージに入れることもある。

どれも犬の身の安全を守るためであり、あくまでも一時的である。

日本では論外どころか、
「ペットショップや訓練士にサークルまたはさらに狭いゲージに入れるように言われた」
「しつけの本に書いてあった」と話してくれる飼い主も多かった。

犬が序列を覚えるため、飼い主をリーダーとして認めさせるためだそうだが、狭い場所に閉じ込められた犬は不安を覚えることはあっても序列は覚えない。

お手やお座り同様にゲージに入ることも教えられるが、犬は序列を覚えたからお手をするのではなく、褒めてもらえる、褒美をもらえる、飼い主が喜ぶ、またはやらないと怒られるからお手をする。

ゲージに入るのも同じで、序列は全く関係ない。
序列を覚えるどころか、日々ゲージに入れられている犬は足腰や背骨などに身体的な支障が出るだけではなく、そのストレスから胃潰瘍や片頭痛などを起こす。

特に怖いのは脳への刺激が欠乏してしまうことで引き起こされる精神面での問題。
食ふん、執拗(しつよう)に体をなめる行為、異常な吠(ほ)え、鬱(うつ)、分離不安。

いわゆる精神病で、一度かかると治るまで時間がかかる。

ゲージ自体が悪いものと言っているわけではない。
災害時に必要になることもある。大事なのは教え方、使い方、そして犬の性格。
ゲージに入っている時はそっとしてあげ、ドアを閉めたりしないことだ。
正しく教えてあげるとゲージはくつろぎの場所になり、中で安心して寝たり、食べたり、来客時には隠れることができる犬にとって貴重な安全地帯になりえる。

その他にゲージなどを使う理由として挙げられたのは留守中に悪さをしないように、飼い主が落ち着いて寝る、食事や料理などできるようになど。
大事な点ばかりだが、閉じ込めなくてもできる。

実際ゲージなど使用せずに犬と健全な共存生活を送っている飼い主はたくさんいる。

落ち着いて食事がしたいからと言って親は幼児を部屋に閉じ込めたりせず、忍耐強く言葉をかけ、繰り返し教えていく。
犬にも食卓から盗み食いをしない、調理中に飛びつかないなどを忍耐強く繰り返し教えてあげたらいいのだ。

犬は人間が思っている以上に賢く、話しかければかけるほど言葉を理解し、感情も豊かである。

そんな犬にとって飼い主は親のような存在だ。閉じ込めると言った手っ取り早い「解決策」に走らず、向き合って、愛情と時間をかけてあげてほしい。


タイトル一覧へ

2020年6月1日掲載

犬本来の姿 多頭飼いが心を満たす

トレーニングやドッグランでよく「犬は1匹で飼うより2匹の方がいいのか」と聞かれる。
答えはイエス。

犬はとても社会性が高く、群れで生きるのが自然な姿だ。
だから1匹より、2匹またはそれ以上で飼うのが理想的だ。

人間しか与えられないものがあるように、犬同士でしか満たせないものもある。
遊びや寄り添い方、犬が犬から学ぶものなどが挙げられる。

だが、多頭飼いは餌や医療費など頭数分の金銭面の負担、時間や手間も増える。

例えば散歩。
全頭同時に行けたらいいが、けがをしている犬や子犬、老犬がいるとしたら、ほかの犬より歩ける距離が短かったり、速度が遅かったりするから個別散歩が必要になる。
子どもが好きな犬と苦手な犬が一緒に暮らしていると、一緒に散歩に行く際はそれぞれの犬が楽しめるように気も頭も使わないといけない。

個々の性格や年齢、体格や体調に合わせた生活を与えてあげないといけないので、多頭飼いでは飼い主のマネジメント能力が1匹の時以上に問われる。

失敗しない多頭飼いのために新しい犬を迎え入れる前のポイントをいくつか書いてみた。

家族会議で全員が多頭飼いに賛成であるか確認しよう。
先住犬や猫たちの意見も必ず聞こう。
ごくまれだが1匹の方が幸せな犬もいれば、犬より猫が好きな犬もいる。
持病持ちの老犬なら「もう俺だけに集中してくれ」と願うかもしれない。
そして迎え入れようとしている犬にとってもいい話なのかをしっかりと考えよう。

相性が悪い犬同士だと楽しいはずの多頭飼いは苦痛になる。

必ず「身体的相性」と「精神的相性」が合うように心掛けよう。
同じ生後6カ月の子犬でも2キロのチワワと50キロの秋田犬では体格に雲泥の差がある。
さらに1歳同士でもチワワはすでに大人だが秋田犬はまだティーンエージャーと、精神年齢の成長速度も全く違う。
このチワワにとっては遊び盛りの秋田ビッグベビーはうっとうしい、下手したら恐怖を感じる存在になる可能性が高く、そうなると完全なミスマッチだ。

万が一、愛犬たちの相性がいまひとつ良くないと感じているなら多頭飼いに詳しいトレーナーに相談して、改善できる方法を探そう。

大変なことが多い多頭飼いになぜ多くの飼い主は夢中になるのか。

私は多頭飼いを満喫している愛犬たちを見ると苦労が全て吹き飛ぶ。
留守番が苦手だった犬がへっちゃらになり、虐待歴があり、庭に出ることもおびえていた犬がほかの子に促されて今では「散歩に行こうよー」と私を誘うのを見ると多頭飼いのすごさと必要性を感じる。
庭で遊んでいたと思いきや部屋で無防備に隣り合わせに寝ているみんなの姿は私の心を幸せでいっぱいにする。

これが犬本来の姿なのだ。


タイトル一覧へ

2020年7月24日掲載

質の高い散歩(1)犬を中心にして歩こう

以前、質の高い散歩と低い散歩があると書いたが、今回と次回は質の高い散歩に必要な点をいくつか書く。

安定した、健康な若い犬だと1日に2回以上、1回が45分~1時間をベースとし、そこから年齢、体調、体格、犬種、そして性格に適した個々の散歩量を見つけよう。

子犬はまだ体と脳が成長中なので1回の時間は短くしなければいけない。
長すぎる散歩はまだ出来上がっていない骨や関節などに過度な負担をかけすぎ、後に故障が起きやすい。重量大型犬は特に要注意だ。
さらに脳に処理しきれないほどの刺激を与えてしまうと落ち着きのない、時には攻撃性のある犬に育ってしまう。
ちょっと短いかなと思うぐらいがベスト。
目安は1日2~3回、1回を生後1カ月ごとに5分。
例えば生後3カ月だと1回が15分、それを2~3回で、1日計30~45分。

充実した散歩に必須なのはまず匂いを嗅ぐこと。
人間が新聞を読み、さまざまなニュースや情報を得るのと同様だ。

これでもかというぐらい匂いを嗅ぐ犬もいるが、それは「読書家」。
嗅ぎ終わるまで待ってあげよう。
われわれも興味深い記事を読んでいる途中で新聞を取り上げられたら気分が悪い。

さらに近年、「匂いを嗅ぐ」ことと心拍数の関連性が分かってきた。

ほかの犬に合えたうれしさで興奮したり、車の音に驚いたりで心拍数は跳ね上がるが、その後に匂いを嗅ぐことで正常に戻る。

犬の健康を保つのに匂い嗅ぎは大事な役割を果たしている。

草を食べる犬も多い。これも実は心拍数を下げる効果がある。
除草剤がまかれている草は絶対に避けなければいけないが、安全な草で、適量なら食べさせてもよい。

犬中心に動こう。
速足、のんびり歩き、立ち止まる。犬にもその日、その時の気分があるので犬のペースに合わせよう。
行く方向や場所を全て任せるのは安全上不可能だが、例えば危険な場所に行こうとしていない限りはなるべく犬に決めさせてあげよう。

常に犬が行きたい方向に行ったり、前を歩かせると犬が自分をリーダーだと思い込み、飼い主の言うことを聞かなくなるのではと心配する声をよく聞く。
そのためなのか犬を散歩中ずっと自分の横で歩かせている飼い主もいるが、それは散歩ではなく訓練だ。

断言するが、飼い主の言うことを聞かないとすれば原因は自由散歩ではなく別にある。

それどころか満足のいく散歩をしている犬は精神的に安定し、不満も少なく、飼い主のいうことを聞きやすくなる。

大きな道路に出ようとしている時に「そこは危ないからこっちに行こう」と落ち着いた声で話しかけるだけで、引っ張る必要もなく、聞き入れてくれる。

自由だからこそ一緒に歩くことを選択してくれる。


タイトル一覧へ

2020/09/17掲載

質の高い散歩(2)良い道具で楽しさ倍増

質の高い散歩には良い道具が必須。
首輪は気管の損傷やヘルニアの原因など書き切れないほど害が多く危険だ。

チョークチェーン、ピンチカラー、電気ショックカラーの使用は環境省が注意を促しているほどで、もちろん論外だ。
首輪などは痛みを伴うから、その使用自体が問題行動の原因であることが多い。

心と体に胴輪を使えない理由(腫瘍にこすれる、トラウマがある)がない限りは、犬への負担が少ない、体にフィットしたH型胴輪を強く勧める。

「首輪じゃないと大型犬を制御できない」、
「胴輪だと引っ張り放題」と言う人もいるが、
腕のあるトレーナーは痛みを伴う道具に頼らず、H型胴輪でどんなトレーニングもできるし、飼い主も練習さえすれば引っ張らない散歩ができる。

問題は道具にも犬にもなく、人間にあるのだ。

そもそも質の高い散歩には犬を引っ張らないことが条件であり、首輪やリードで犬を引っ張ってコントロールするという概念を捨ててほしい。
代わりに声と手などの合図で犬にこうしてほしいと伝え、誘導するのだ。

リードは念のための命綱であり、従わせるための道具ではない。

しかし日本で主流の1.20メートルリードは短すぎて、どうしても犬を引っ張ってしまう。
犬同士が挨拶をするにも、用を足すにも、ただ歩くにも常に人間との至近距離を強いられ、犬は全くリラックスできない。
健康上必要な匂い嗅ぎや周りを見るといった行動にも影響が出る。

例えば短いリードだと匂い嗅ぎは減り、リードが長ければ長いほど回数は増え、脈も正常値を保てる。

ノーリードや10メートルでの散歩が理想的ということになるが、街中では不可能だ。
目指すは最低でも2メートル、できれば3メートルで、安全を確保しつつ可能な時に可能な限り長く持つこと。

車が多い歩道などでは短めに、人や車が少ない場所、時間帯や公園では長く。常に周りに注意を払い、早めに行動をし、長さを常に調整することで、2~3メートルでかなりの自由を与えられる。

伸縮リードが手っ取り早いのではと思うかもしれないが、使用は危険を伴う。

予告なしに急停止するので、体への衝撃が大きく、犬は絶えずむち打ちや打ち身を起こす。

首輪での利用は命にもかかわる。
伸縮リードは「引っ張れば伸びる」仕組みなので、犬の体には常に圧力がかかってしまう。

さらに犬は引っ張れば遠くに行けることを理解し、どんどん引っ張るようになる。便利な道具に頼らず普通のロングリードを使おう。

質の高い散歩では、犬はうれしいから何度も飼い主の方を振り返る。
笑顔でうなずいたり、「うん、楽しいね」と答えてあげよう。

犬は共有できる楽しさから、どんどん報告してくるようになり、誘導しやすくなるだけではなく、お互い何倍も楽しい散歩になる。


タイトル一覧へ

2020年11月5日掲載

あなたにも役割 殺処分ゼロを目指す

ドイツで行われていない犬猫の殺処分が、日本では行われているのを知り、言葉を失った。

2018年は4万匹近く殺されている。
平均にすると毎日110匹ぐらい、1時間に約4匹。
これを書いている間も殺されている命があり、この記事が掲載されるまでの間に殺された数は1000匹は超えているだろう。

犬や猫が好きという人はもちろん、好きではないという人もこの問題に目を向けてほしい。

命は好き嫌いという問題で片づけてはいけない。
お客さんと話をした際、よく言われるのは
「つらくなるから、そういうニュースやネットの投稿は見ない」
「キリがないし」
「行動をしたいけど、何をしたらいいか分からない」そして
「知らなかった」。

そこで動物愛護の英語のポスターを紹介したい。
ADOPT! If you can’t adopt,FOSTER. If you can’t foster,VOLUNTEER. If you can’t volunteer, DONATE. If you can’t donate, EDUCATE.

(里親になろう。里親になれないなら、一時預かりをしよう。一時預かりができないなら、ボランティア活動をしよう。ボランティア活動ができないなら、寄付をしよう。寄付ができないなら、教育しよう)。

誰にでも必ず、何かできることがあると教えてくれている。

愛護団体から犬や猫を家族として迎えてあげられたら最高だが、殺処分を減らすには一時預かり、ボランティア、寄付、そして教育、どれも大事な要素なのだ。教育は誰にでもできる中で、「知らなかった」という人を減らすことは必要不可欠なのだ。

そして一時預かり。
保健所に来る犬猫は一定期間収容されるが、保管期間が過ぎたり、保管場所がなくなると殺処分される。
愛護団体は一匹でも多く引き出そうとするが、団体も満杯になるとどうしようもない。だから一時預かりをする人を増やさねばならない。

殺処分が迫っていた犬猫を一時預かりすることで助けられる命も当然あるが、それだけではない。
一般の家庭で過ごすことで、その犬猫の日常生活の様子が分かり、本来の姿も見られるので新しい飼い主が見つかる可能性が上がるのだ。

ドライブが大好き、雷が苦手、いびきをかくとか、施設にいたのでは分からない愛らしい特徴も見えてくる。

若い人から高齢者までができる。
興味がある人はぜひ一度周りの団体に問い合わせてみてほしい。

私の愛犬2匹は殺処分が決まっていたが、一時預かりをしてくれた人が落とされそうになった命のバトンをキャッチし、私につなげてくれた。

ソファでおなかを出して寝ている2匹の姿を見ると、今日もまたできることをできる範囲でやろうという気持ちになる。

みなさんも、自分にできることを探してみませんか?


タイトル一覧へ